外科(手術)のご紹介
- トップページ
- 外科(手術)のご紹介
外科(手術)のご紹介
入院日数を短くし、普段生活している自宅に早く戻ることは、スムーズな回復につながります
入院によるペットさんのストレスは人間よりも遥かに大きい
なぜ入院することになったのかを頭で理解することができる人間でさえ、入院で慣れない環境におかれると強いストレスを感じます。
ストレスを感じると元気や食欲がなくなったり、免疫力が低下して病気の治りが悪くなったりと良いことがありません。
実際、トップページに挙げたように肺炎で入院することになった祖父は、入院したことで一時的に認知症のような症状が出たり、見た目からも明らかに弱っている状態になってしまいました。それに対して、退院して自宅に帰ってからの回復は、入院中より明らかに良いものでした。
ですから、なぜ入院しなければならないかを頭で理解できないペットさんのストレスは、人間のそれを大きく上回るであろうことは容易に想像ができます。
可能な限り入院日数を短くし、早く普段生活している自宅に戻れることは、スムーズな回復につながると当院は考えています。

ほとんどの手術で日帰りが可能
きちんとした麻酔・手術を行えば、避妊・去勢手術だけではなく、他のほとんどの手術でも日帰りが可能です。
ただし、心不全や腎不全などの病気を患っている子の場合は、手術後の心不全・腎不全の悪化を防止するために、ICU(集中治療室)での酸素吸入を行ったり、持続的な静脈内点滴を行うために入院治療が必要な場合がございますが、その場合も通常は1泊2日の入院で退院できるように努めています。
高齢なペットさんでも多くの場合、安全に麻酔をかけられます
また、「高齢だから麻酔をかけられない」ということはありません。
もちろん若くて健康な子と比べると、麻酔薬や輸液剤の選択に気を付けなければいけないことは多くあります。術前の検査も若い子と比べると、より詳しく行う必要もあります。
しかし、検査で異常がなければ15歳以上の子でも安全に麻酔をかけることは可能ですし、異常が見つかった場合でも、その状態に応じた麻酔管理を行うことで手術が可能な場合も多くあるのです。

より安全に・より快適に・より清潔に手術が行えるよう努めています
当院では以下に挙げるような取り組みにより、より安全に・より快適に・より清潔に手術が行えるよう努めています。
- 全ての手術で、「※1静脈点滴(血管確保)」、「※2気管内挿管と人工呼吸器(レスピレーター)装着」、「※3生体モニターによるバイタルサインの確認」を行い、安全な麻酔管理ができるようにしています。
- 多くの種類の麻酔薬を常備しているので、その子その子の状態に応じた麻酔方法を選択することができます。
当院では、15歳を超える高齢の子や疾患を持っている子でも、麻酔をかけて手術を行っています。 - レーザーメス・電気メスなどを使用し、止血しながら切開することで、ほとんど出血がなく手術を行うことができます。特にレーザーメスは、血管・リンパ管・神経組織のシーリング(切りっ放しにならない)もしながら切開できるため、術後の腫れ・痛みが少なくできる長所があります。
- 体内で使用する縫合糸は、一部の手術を除き吸収糸(後に溶けてなくなる糸のため体に残らない)を使用しています。
- すべての手術で鎮痛剤を使用し、より術後の痛みが少なくなるように努めています。
- 避妊・去勢手術はもちろん、ほとんどの手術は日帰りで可能です。(一部の手術は1泊2日程度の入院をお願いしています)。
- 全ての手術でディスポーザブルガウン(術衣)・グローブ・キャップ・マスク(1回使用のみの使い捨て)を着用し、その他の使用する医療材もほとんどがディスポーザブル製品(1回使用のみの使い捨て)を使用し、衛生面に配慮しています。
※1:麻酔により減少する循環血液量の維持と、麻酔中に容態が急変するなどの緊急時にも、速やかに適切な薬剤投与を行うことが出来るようにすることが目的です。緊急事態が生じてから慌てて血管確保を行っていたのでは、1分1秒を争う状況では間に合いません。
※2:気管チューブを気管内挿管することにより気道を確保し、人工呼吸器により呼吸回数・呼吸量・ガス麻酔の濃度などを細かく調整することで、安全に麻酔管理ができるようにしています。
※3:生体モニターとは心電図(心臓内の電気の流れを図にしたもの)・動脈血酸素飽和度(SpO2・サチュレーションなどとも呼ばれ、血液中の酸素濃度を表します)・呼気中CO2濃度(ETCO2とも呼ばれ、吐いている息の中の二酸化炭素濃度を表します)、呼吸数、血圧、体温など(これらを総称してバイタルサイン=生命徴候と呼びます)を測定・表示する医療機器です。麻酔医による視診・触診・聴診などと合わせてモニターすることで、万が一の異常も速やかに発見することができ、より早い段階で適切な処置を行うことが可能になります。

次ページからは、わんちゃんの避妊手術(卵巣・子宮摘出術)を例として、手術の流れをご紹介します。
(血や内臓が見える写真が一部ございます。手術の写真が苦手な方はお気を付け下さい)
手術の流れをご覧にならずに当院の手術実績数・行っている手術内容をご欄になりたい方は外科手術の実績数をクリックしてください。