蓄膿症
どーも、若旦那です。
まっつぁんの言う通り、昔は自分で採ったキイチゴだけで一日乗り越えたり、公園のベンチの上で背中に雨風を受けながら一夜を過ごしたり、と好んで過酷な状況で過ごしていました。
30歳を過ぎた現在はそんなワイルドなことをする気力や体力も無くなり、今は温かいご飯を食べてフカフカのベッドで寝ることに幸せを見出してしまいました。
しかし我が家の寝室にはエアコンがなく、いくらベッドがフカフカでも熱帯夜に寝室で寝ることは苦行でしかありません。
そんな時は寝室から飛び出し、リビングの『聖域』(エアコンの風が直に当たるソファと壁に挟まれたわずかな隙間)に登山用マットを敷いて、その上で寝ています。
家の中にいながらアウトドア気分を味わえます。
翌朝はもちろん体はキンキンに冷え、いささかの後悔を抱えながら一日が始まります。
そんな寒暖差の激しい生活を送っているせいか、最近持病の蓄膿症(慢性副鼻腔炎)がひどくなりました。
蓄膿症自体は小学生の頃から患っており、昔は耳鼻科に通院していた時期もありましたが、なかなか治らず鼻づまり、喉の奥に垂れる鼻水、痰のからみ等の諸症状が当たり前になってしまいました。
特に左側の鼻づまりがひどく鼻としての機能をほとんど有しておらず、毛が伸びるだけの穴になっています。
かれこれ20年以上蓄膿症とともに生きてきて蓄膿症のプロと言ってもいいような私でも最近の喉の奥の不快感は耐え難いものがあります。
ただ命にはかかわらないので特に治療することなく日々過ごしています。
しかし動物の蓄膿症の場合はそんな悠長なことを言っていられない状態になることがあります。
といっても獣医療における『蓄膿症』はほとんど子宮蓄膿症のことを指します。
子宮蓄膿症は文字通り子宮に膿が溜まることですが、単に不快感だけで済まされず生死にかかわることがあります。
子宮蓄膿症はいろいろな動物に起こりますが、今回は犬の子宮蓄膿症についてお話します。
まず犬の生理(発情)についてですが、
だいたい6~12ヵ月の周期で排卵が起こり、排卵後は約2ヵ月間は発情休止期が続きます。
この2ヵ月間は黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、子宮内膜の増殖や子宮内の免疫力の低下、子宮頚管の閉鎖等が起こり、妊娠している場合には赤ちゃんが子宮内で過ごしやすい環境を作っています。
しかし赤ちゃんが過ごしやすい環境は子宮に侵入した細菌にとっても繁殖しやすい環境となり、犬の子宮蓄膿症はほとんどこの時期に発症します。
子宮蓄膿症を発症した場合は、発熱、食欲低下、嘔吐、水をいっぱい飲み尿量が増える、陰部をよく舐める、おなかが膨らんできた等のさまざまな症状が見られます。
子宮蓄膿症が進行すると子宮だけの問題ではなくなり、細菌により体全体が侵されてしまい敗血症や腹膜炎、多臓器不全につながり、最悪死に至ることもあります。
治療としては、もともと心疾患を抱えている、子宮蓄膿症により全身状態が悪い等で全身麻酔をかけるリスクが高い場合は、抗生剤等の投与で内科的に治療することもありますが、内科治療では次回以降の発情休止期に子宮蓄膿症を再発してしまう恐れがあります。
根治のためには膿が溜まった子宮を取り除く卵巣子宮摘出術を行うしかありません。子宮の破裂や腹膜炎を伴っている場合は生理食塩水での腹腔内洗浄も行います。
卵巣と子宮を摘出するという点では予防的に行う避妊手術と同じですが、緊急性や全身麻酔のリスク、もろい子宮の摘出、合併症の併発という点では通常の避妊手術と比べてリスクは高くなります。
避妊手術を受けている子は子宮蓄膿症にはなりませんが、避妊手術を受けてない高齢(若齢でも発症することはありますが特に8歳以上)のわんちゃんは生理後2ヵ月間は普段と様子が変わらないか注意して見てあげてください。
・食欲はないけど太ってきた
・後ろ脚が痛そうで散歩を嫌がる
といった主訴で来院され、検査してみると実は子宮蓄膿症だったというケースもあります。
人間と違ってどこがどのように調子が悪いのか訴えてくれないので、細かな変化に早く気付くために健康な時の食欲や飲水量、運動量等を知っておくことは大切です。
今回は文章のみの内容になったので、最後に写真を貼っておきます。

先日、東海自然歩道という山道を走った時に登った弥勒山(春日井市で一番標高が高い山)からの眺めです。
途中うり坊を追っかけたりハチに追いかけられたりとハプニングがありましたが、無事30㎞完走しました。
来週の担当は・・・
見た目からは想像できませんが、意外にストイックなまんもすです。