アイツの凄いところ①
先日お伝えさせて頂いた、新入りの自動血球計算装置『プロサイトDx』
・『白血球分類の測定』
・『網状赤血球の測定』
が可能な凄い検査機であることをご紹介しましたが、
「でも、何が凄いのだろう?」
「ハッケッキューブンルイ?」
「モージョーセッケッキュー?」
という方が大半だと思いますので、
今回から複数回に渡り、ご説明させて頂く予定です。

まずは『白血球分類の測定』が可能な点についてです・・・
白血球は体の中にバイ菌が入ってきたときに、そのバイ菌をやっつける仕事などをしている、免疫力を維持する大事な仕事をしています(他にも色々な仕事をしていますが)。
白血球には、
①好中球
②リンパ球
③単球
④好酸球
⑤好塩基球
の5種類があり、この5種類の白血球を合計したものが
『総白血球数』と呼ばれています。
(それぞれの白血球は染色して顕微鏡で観察すると下の写真のように見えます)

今までの検査機では、この『総白血球数』だけが測定されていたので、
どの白血球がどのくらいの割合で存在しているのかは分かりませんでした。
それぞれの白血球の数を測定するには、
・血液をスライドグラスに塗抹(薄く塗り広げること)して、
・血液用の染色液で染色して(20~30分ほどかかります)、
・顕微鏡で1つ1つの白血球を数えて、それぞれの割合(%)を出して、
・総白血球にそれぞれの割合(%)を掛け算する、
という、かなり手間暇のかかる行程を経なければなりませんでした (´_`。)
正確な結果を得るには、なるべくたくさんの白血球を数えなければいけません。
(10個しか数えなかったら大きくバラツキが出てしまいますよね)
だいたい500~1000個くらい数えると、バラツキの少ない正確な結果が得られますが、
顕微鏡で500~1000個を地道に数えるのはなかなか大変な作業です(;^_^A
行程の説明だけではよく分からないかもしれないので、
具体的な例を挙げてみましょう。
今までの自動血球計算機で『総白血球数=10000個』
という結果が出たとします。
これでは『総白血球数=10000個』であることは分かりますが、
①好中球~⑤好塩基球までの各白血球の数がいくつなのかは分かりません。
それぞれの白血球数を知りたいと思ったら、
採血した血液をスライドグラスに塗抹し、染色し、顕微鏡で観察です。
何とか白血球1000個を数え上げ、その数は以下のようになりました。
①好中球:600個⇒600個/1000個=0.6=60%
②リンパ球:300個⇒300個/1000個=0.3=30%
③単球:50個⇒50個/1000個=0.05=5%
④好酸球:40個⇒40個/1000個=0.04=4%
⑤好塩基球:10個⇒10個/1000個=0.01=1%
※実際はこんなにきれいな数字になることはありませんが…
『総白血球数=10000個』でしたので、上記の割合を掛け算して、
①好中球数=10000個×60%=6000個
②リンパ球数=10000個×30%=3000個
③単球数=10000個×5%=500個
④好酸球数=10000個×4%=400個
⑤好塩基球数=10000個×1%=100個
⇒①~⑤を足し合わせると、当然ですが『総白血球数=10000個』となるわけです。
動物種によって基準値(正常範囲)には差がありますが、ワンちゃん・ネコちゃんの場合は
総白血球数10000個で、各白血球の数が上記の通りであれば、
『血球計算に関しては異常なし』と診断できます。
今までの血球計算機では総白血球数までしか分かりませんでしたので、
1時間弱の時間をかけて、ここまでやって、やっとこさで、
各白血球の数を知ることが出来ていたわけです (+_+)
なのに、この新入りの『プロサイトDx君』…
わずか2分で総白血球数だけではなく、各白血球数まで出しやがります。
「今まであんなに時間がかかっていたのは何だったんだろう…」
そんな思いに打ちひしがれている今日この頃です…(w_-; ウゥ・・
それはさておき、
「何故、『総白血球数=10000個』が正常だというのに、
各白血球数をわざわざ調べる必要があるのだろう?」
と思われた方はいらっしゃいませんか?
そんなあなたは探求心旺盛な、かなりの強者です。
その答えについては、次回以降にご説明致しますね(=´ー`)ノ
1回目から、かなりの長文になってしまいましたが、
お付き合い下さいましてありがとうございましたm(_ _)m