「初心忘るべからず」

こんにちは、いんちょ~です。

 

UNOが弱いと噂されている今日この頃…

実際のところ、その指摘は正しいのですが、それに対する検証をしていると、

話の入りが難しくなってしまうので、今回はいきなり私の昔話をさせていただこうかと思います。

(りりほ、すまん!)

 

 

私が中学生~高校生の頃、実家の近くに新しくお蕎麦屋さんが出来ました。

店名は『一心舎(仮名)』。

 

蕎麦が好き過ぎた大将が、趣味が高じて脱サラをして始めたということで、

こだわりのある蕎麦は勿論のこと、うどんも大変美味しいお店でした。

 

1度来店し、その味に魅了された増田家ファミリー。

それから蕎麦やうどんが食べたいとなった時は、

必ずこちらの一心舎にお邪魔することになったのでした。

※写真はイメージです

そんなに美味しいお店でしたから当然のことですが、

瞬く間に地元の人気店となった一心舎。

 

土日の昼時は決まって順番待ちの長蛇の列。

大将と女将さんの二人だけでお店を切り盛りされていたようなので大忙しでした。

 

それなのにこのお店、なんと年中無休!!

しかも昼の11時頃から夜は遅めの時間まで営業されているということでしたので、

子供ながらに「そんなに働き詰めだと体を壊してしまうんじゃないかな…」と、

心配になったことをよく覚えています。

とある日、いつものように来店すると、「蕎麦打ち教室を開催します!!」、

と書かれたポスターが掲載されていました。

 

お客さんの比較的少なくなる昼過ぎ~夕方の時間帯に、

希望者に蕎麦打ちを教えてくれるというのです。

 

その当時、蕎麦(を食べること)好きが高じて、「自分でも蕎麦を打ってみたい」と思い込んでしまい、なんの知識もないくせに、母親にスーパーで蕎麦粉の購入をせがんでは、麺1本の長さが5cmにも満たないボキボキの、とんでもなく不味い蕎麦を打っているにもかかわらず、「つなぎの小麦粉を入れない10割蕎麦が王道だ!!」と言い張って、家族のブーイングを一身(一心)に受けていたマスダシンヤ少年。

 

自分でも気づかないうちに、一心舎の蕎麦打ち教室の申込書にサインをしていたのでした…

そして後日、蕎麦打ち教室に参加した、マスダシンヤ少年。

 

大将は蕎麦打ちに対するこだわりの数々を、惜しむことなく教えてくださりました。

そして、「自分がいかに蕎麦打ちにこだわりを持っているか」、「他にも数多くお店があるにもかかわらず、当店を選んでくださるお客さんをいかに大事に思っているか」を熱く語ってくださりました。

 

私が「スゲーッ、これがプロの職人さんの仕事なんだ!!」と感動し、

教えていただいた通りに夢中で蕎麦打ちをした結果、

持ち帰った蕎麦に対する家族の評価がどうであったかは言うまでもありません。

 

 

 

 

その後まもなく、私は獣医大学に合格し、実家を離れました。

 

とはいえ、学生です。

春休み・夏休み・冬休みなど、長期の休みがございますので、

そんな時はちょこちょこ実家に帰っていました。

 

色々な蕎麦屋さんを訪問したにもかかわらず、大学近くに『一心舎』以上の蕎麦屋さんが見つけられなかった、マスダシンヤ青年。

 

母親の「お昼は外食にしようか。どこがいい?」との問いかけに、

「一心舎!」と迷うことなく即答したのですが…

 

そんな私に、「あーっ、最近ね~…、まぁ、行きたいって言うんなら行こうか…」、

と意味深な返しをする母親…

「久しぶりに一心舎の蕎麦が食べれるぞ!」と、喜び勇んで車を走らせる私。

しかし店に到着するなり、違和感を覚えます。

 

「あれっ、駐車場が空いてる…」

 

休日にもかかわらず、お店の前の5台しか駐車できない駐車場が空いているのです。

でもまぁその時は、「ラッキー!全く待たずに入店できそうだ」、

としか思っておりませんでしたが…

 

ところが、店の中に入っても以前と様子が違います。

以前は店に入るなり、「いらっしゃいませ~~~~~!!」と、

大将の元気な声がお出迎えしてくれたのですが、それがありません…

 

とりあえず席につき、注文を済ませました。

 

一心舎はこだわりの蕎麦屋によくありがちな、厨房と蕎麦打ち所が客席から見えるようになっているお店だったのですが、厨房の方へふと眼をやると、そこには驚きの光景がありました。

 

そこには、『くわえタバコで蕎麦を茹でている大将』がいたのです。

 

注文の品を作り終えると、くわえタバコのまま、サッと厨房の勝手口から外に出ていく大将。

入店時の「いらっしゃいませ~~~~~!!」の声が無くなっていたのと同様、

注文した蕎麦が届けられる時の、「お待たせしました~~~~~!!」の元気な声も無くなっていたのでした…

 

 

その時の蕎麦に対する私の評価がどうであったかは言うまでもありません。

 

 

この一件があった後も、実家に帰った時には、たまにはお邪魔をしていたのですが、

以前のような蕎麦の味に戻ることはありませんでした。

 

そして気がつくと、一心舎には全く足を運ばなくなっていました…

このお話は、『一心舎』という店名と、添付写真以外は、完全なノンフィクションです。

 

私は、幸か不幸か、人生において反面教師的な経験をすることが大変多いのですが、

この経験は特に大変勉強させていただいたものの1つとなりました。

 

初心を忘れずに仕事に打ち込むことの大切さ、そして、同時に難しさ。

一心舎の大将のように仕事に対するこだわりが極めて強かった方でも、

当初の姿勢が長くは維持できなかったわけですから…

年中無休で、しかも夜も遅くまで営業されていたことで、本人でも気づかないうちに心のバランスが崩れてしまっていたのではないかと私は結論づけています。

開業当初は気持ちが高揚しているので、ある程度の無茶は何とかなってしまいます。

しかし、長い間無理を続けていると、誰しも心に綻びが生じてしまいやすいものです。

今までの経験上、どのお店やどの組織も『最初の5年』が大きな壁になっているように感じていましたので、私は開院当初から「まず5年、それが出来たら次は10年まで!」と心に誓っていました。

 

さて、瀬戸健滉動物病院は2021年2月10日(水)で開院11周年を迎えます。

 

私が一心舎の大将のようになっていないかどうかは、私自身の評価ではなく、患者さんの皆さん、なかでも特に、昔から当院にご来院いただいている患者さんからのご評価をいただかなければいけないところですが、最近は昔からの患者さんと、「ウチがもうすぐ開院11周年なわけですから、そりゃ〇〇ちゃんも年とりますよね~」的なお話をする機会がやたらと増えていますから、この課題はクリア出来ていると思っております。

 

確かに、残念ながら昔よりは世間話(無駄話??)をする機会は多少減ってしまったかもしれませんが、診察自体には一切の手抜きがなく、開院当初からの姿勢が崩れていないことは、絶対にご納得いただけるはずです。いや、多分いただけるはずです。いただけるんじゃないかな?いや、いただけないこともあるかもしれない…。

 

んなことないわっ!

 

な~ちて(^ν^)

 

そんなこんなで、皆さんを置き去りにした急展開で締めさせていただくことになってしまいましたが、

さだまさし氏の論法が現代に通用することを祈りつつ、11周年の挨拶とさせていただきます。

 

 

お次は、「せとけんism、最初の継承者、出て来い!」の、あんにゃろう、ダーーーッ!!